
伊勢茶とのマリアージュ
茶米雅趣(ちゃべいがしゅ)
― 七輪と茶釜が紡いだ、あられと伊勢茶の美しき時間 ―
三重の豊かな自然と文化が交差する複合施設「HOTEL VISON」。その静かな空間の一角で、春の風とともに立ち上る七輪の芳ばしい香りと、やわらかな湯気が、訪れた人々の五感をそっとほどいていく。
「あられ × 伊勢茶」のマリアージュを楽しむ特別な3日間。
その名も『茶米雅趣(ちゃべいがしゅ)』。

このイベントは、茨城の老舗・日乃本米菓製造が手がけるあられ・おかきと、三重の銘茶・川原製茶が誇る伊勢茶とを、ひとつの場で味わい、語り合い、感じてもらう“和のマリアージュ体験”として企画しました。
主役はふたつ。
七輪の火で炙られたばかりの「ひたむき米菓」。
そして、茶釜で丁寧に淹れられた「伊勢茶」。
火のゆらめきに照らされながら、七輪の上で炙られていくあられ。
ジリジリと小さく音を立て、芳ばしい香りが空間に満ちていく。その姿は、懐かしさを誘う風景でありながら、今という時間の中に息づく美しい所作でもある。
この日振る舞われたのは、日乃本米菓製造を代表する「味三彩」や「杵もち揚」など。30〜40秒後に七輪から上げると、いつにも増して、外はカリッと、内はふっくら。

お客様からも、こんな声が寄せられました。
「七輪で温めたあられ、香ばしくて最高!」
「伊勢茶と一緒に味わうと、ほっとする美味しさです」
そこへ注がれるのが、川原製茶が淹れる伊勢茶。茶釜でゆっくりと温められ、湯の温度と茶葉の開き具合を見極めて注がれた一杯は、まさに“お茶の芸術品”。
一口含めば、さわやかな渋みとともに、お茶本来の甘みが静かに広がっていく。派手さはないが、静かに、確かに舌の奥に深く残るその味わいは、茶人ならずとも目を細めてしまう。
伊勢茶の澄んだ余韻と、あられの芳ばしい香り。
そのふたつが静かに交わる瞬間、まるで心の深くにそっと触れるような、やさしい時間が流れはじめる。